日本酒の種類を自分の理解の為に調べて書いてきましたが、特撰、上撰などと呼ばれる日本酒があります。
純米大吟醸、吟醸酒などが上等な日本酒、というイメージですが「特撰、上撰」等と言われますと更に何か良いもの、という感じもします。
その他、古酒、にごり酒(清酒、生酒、原酒の記事の時にも書きましたが再度)、貴醸酒等々についても調べてみました。
特撰、上撰などは普通酒の種類
普通酒(一般酒)は醸造アルコールが添加されている日本酒の中でも、10%以上比較的多く使われている日本酒の種類です。
そして特撰、上撰、佳撰は日本酒製造メーカー独自でつけている普通種のグレード、分類です。
今の普通酒にあたるスタンダードな日本酒は「一級酒」「二級酒」などと階級に分かれていて(1992年まで)それを基に「月桂冠」の例でまとめてみました。
- 特撰:以前の特級酒
- 上撰:以前の一級酒
- 佳撰:以前の二級酒
古酒とは?
日本酒が寒い冬だけで作られていた頃
しぼって火入れするまでの酒が「新酒」、火入れをして秋まで貯蔵したものが「古酒」。
現在の古酒の定義
年間を通して酒造りが行われるようになって現在に至るまでの日本酒の分類は下記の通リ。
- 酒造年度(7月から翌年6月末)を基準に、その年度に造り、次の年度が始まる前までに出荷された酒を「新酒」
- 次の年度中に出荷されたものを「古酒」
- さらに1年以上経過したものを「大古酒」
長期熟成酒とは?
古酒を製造するメーカーの組織「長期熟成酒研究会」では「満3年以上蔵元で熟成させた、増醸酒を除く清酒」を「長期熟成酒」と決めています。
古酒の一般的な特徴は?
- 色調は年数を経るごと褐色へと着色度が増してくる
- 新酒にはない複雑で多様な香味、シェリーやバターのような重厚でほどよい苦みや、まろやかさ
- 古酒独特の香味は、油や肉を使う濃厚ではっきりした味の料理に良く合う
- 食前酒・食後酒としても楽しめる
貴醸酒とは?
貴醸酒は、仕込み水の全部あるいは一部に清酒を用いて醸造した濃厚で芳醇な日本酒のこと。
お酒の色は琥珀(こはく)色になることで有名です。
貴醸酒のルーツは平安時代で、その醸造法は国税庁醸造試験所(現・醸造研究所)が開発し、1975(昭和50)年に特許が公開されていました(現在は特許権の存続期間が終了)。
にごり酒とは?
モロミを網目(3ミリメートル四方の方眼)のふるいで荒ごししたもので、白く濁った日本酒のこと。
米由来の繊維質や酵母のタンパク質、発酵途上の分解物などが豊富に含まれている、との事です。
日本酒の分類について、整理
- 「こす」工程があるかないか?で清酒(アルコール度数22度未満)と原酒(搾ったまま、水を入れない、アルコール分18から20%の濃いお酒)に分かれます。
- 火入れをしない(生酒)、搾った後貯蔵前に1回する(生詰め種)、容器詰めの際に1回する(生貯蔵酒)に分かれます。
- 純米だけ(純米酒)、そして醸造アルコールを使った醸造酒のなかでも10%未満のもの(本醸造酒)に分かれます。
- 醸造アルコール使用で10%以上使ったものが一番お手頃価格で流通している普通酒です。
- 吟醸造り、という製法で造られていて精米歩合は60%以下のもの(吟醸酒)、50%以下のもの(より希少、大吟醸酒)に分かれます。
- 吟醸酒、大吟醸酒の中でも醸造アルコールを使っていない純米で造られたものが純米吟醸、純米大吟醸(一番高価な日本酒)です。
- 普通酒のグレードを各メーカーが旧特級酒、一級酒、二級酒に合わせて特撰、上撰、下撰などと決めています。
- 古酒は酒造年度(7月から翌年6月末)の翌年度中に出荷されたもの、大古酒はさらにもう一年度以上経過して出荷されたもの
- 長期熟成酒は満3年以上蔵元で熟成させた、増醸酒を除く清酒
- 貴醸酒は仕込み水の全部あるいは一部に清酒を用いて醸造した濃厚で芳醇な日本酒
- にごり酒はモロミを網目のふるいで荒ごしした白く濁った日本酒